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特集 SSI診療の最新動向を探る!
Ⅰ.SSI診療の現状
米国における整形外科領域感染症科医の役割と研修の実際
-―Mayo Clinicでの経験から―
Role and training of orthopaedic infectious disease physicians in the U.S. ; insights from experience at Mayo Clinic
松尾 貴公
1
Takahiro MATSUO
1
1Mayo Clinic,感染症科
キーワード:
Orthopaedic infectious diseases
,
Musculoskeletal infection
,
Mayo Clinic
Keyword:
Orthopaedic infectious diseases
,
Musculoskeletal infection
,
Mayo Clinic
pp.427-430
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003365
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整形外科感染症は,日本国内のみならず世界的に深刻な問題の一つとして注目されている。米国では2030年までに人工膝・股関節置換術の年間件数が400万件を超えると予測されており1),それに伴い,一般的に人工関節置換術後の約1~2%に発生する人工関節感染症の割合も必然的に増加していく2)。最新のデータでは,2030年までに米国では股関節や膝の人工関節感染症の治療にかかる費用は年間18億5,000万ドル(日本円:約2,800億円)に達すると見込まれている3)。これらの感染症は,長期の抗菌薬治療や複数回の手術,長期のリハビリテーションを必要とするため,患者の転帰に悪影響を与えるだけでなく,医療システムにも大きな負担となる4)5)。さらに,高齢化や併存疾患を抱える患者の増加により,その負担は一層深刻になっている1)。

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