特集 STI/HIV
Part 2 HIV
【コラム③】米国におけるHIV研修の実際—感染症フェローシップのなかでHIV研修は中心的な役割を果たしている
松尾 貴公
1,2
Takahiro MATSUO
1,2
1テキサス大学ヒューストン校
2MDアンダーソンがんセンター 感染症科
pp.1058-1063
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901229
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日本におけるHIV研修のニーズは増加している。ここ数年で新規HIV感染者は減少傾向をみせているものの,抗レトロウイルス療法(ART*1)の開発が進み,1日1回のレジメン(STR*2)や長期作用型注射製剤,多剤耐性HIV感染に対する治療薬など,さまざまな新規HIV治療薬が登場してきている1,2)。治療の進歩に伴ってHIVが適切に管理されるようになり,患者の高齢化が進んでいる。このような背景から,総合内科医やプライマリ・ケア医,感染症科医など多くの医師が,今後の日常診療でHIV関連の症例に遭遇する可能性が高まっている3)。そのため,HIVの正確な診断や適切な治療を行うための知識やスキルの習得は,この先ますます重要となることが予想される。
本稿では,米国におけるHIV研修の現状やその内容,さらには学習のリソースや取り組みについて紹介する。これからの日本のHIV研修の質をさらに向上させる一助となることを期待している。
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