海外医療事情
米国におけるプライマリ・ケア—家庭医の役割について
田中 熟
1
Minoru TANAKA
1
1デューク大学メディカルセンター
pp.1061-1063
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208741
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家庭医の不足とプライマリ・ケアの抬頭
アメリカ合衆国において,医学は第2次世界大戦を契機として飛躍的な進歩を遂げた.同時に医学の専門細分化の傾向も著しく,医学生の専門医志向の風潮が高まった.その結果,幅広い知識と技術を持った一般医(General Practitioner, GP)は減少の一途をたどった.
医学が専門細分化されることにより,身体の部分的な治療のみが個々に行われ,"健康な心と身体"を維持するべく全身のケアを希望する患者側には,強い不満を生じさせることになった.そのため一般大衆は,心身一如の包括的なケアを施す,昔ながらのファミリー・ドクターの復活を願うようになった.
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