海外報告
米国におけるがんサポートグループ活動の実際と看護職の役割
福井 小紀子
1,2
1東京大学大学院医学系研究科地域看護学教室
2日本学術振興会
キーワード:
サポートグループ
,
がん
,
アメリカ
Keyword:
サポートグループ
,
がん
,
アメリカ
pp.247-253
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900616
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はじめに
米国では,1950年代以来,がん患者のQuality of Life(QOL)が強調されるようになり,がん患者のQOLを改善するための一支援としてサポートグループを発展させようとする努力が着実に増大してきた(Massie et al.,1993)。この背景として,アメリカ人のがん罹患率が高いこと(Landis etal.,1998),がんは長い病気の経過をたどる慢性疾患とみなされるようになったこと(Sutherland & Goldstein,1992;Emanuel et al.,1999),がんは罹患率に比べて死亡率の高い疾患であること(Davison et al.,2000)およびがん患者とその家族はがんに罹患することにより高度の精神的負担をかかえること(Spiegel,1996)があげられる。この結果,米国では,ここ50年間,地域支援団体および病院を中心にがんサポートグループが他の疾患に比べて盛んに行なわれるようになった(Davison et al.,2000)。
近年,わが国においてもがん患者のQOLを高めるための一方策としてがんサポートグループに対する関心が高まり、全国各地の病院,大学機関および地域支援団体などにおいて実践的活動が行なわれるようになり,ここ数年でその提供機関の数は増加してきている。
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