スポーツ医学 つれづれ草
喚子鳥は春のものなり
武藤 芳照
1
Yoshiteru MUTO
1
1東京健康リハビリテーション総合研究所,所長
pp.273-273
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003316
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
関東の高校2年生(16歳)の野球部の右投げ右打ちのエースの男子生徒。夏の甲子園を目指して,春休みから,一層熱心にピッチング練習を重ねていた。部活動を終えた後も,自宅近くの公園で,シャドウピッチングを繰り返していた。5月のある日,右の胸から背中にかけての痛みがだんだん強くなり,近くのスポーツに詳しい整形外科クリニックへ。右の肋骨疲労骨折と診断され,固定バンドを装着して,6週間はピッチングやバットを持ってのスイングを禁止されてしまった。最初の1週間は,医師に指示された通りに局所の安静を保っていたが,「このままではエースの座を奪われる」と不安になり,部活動自体は休んでいたが,公園で自主練習を行うようになった。その結果,骨折の治癒は長引き,当初の予定よりも大幅に延びて,6カ月を要して,ようやく現場に復帰できた。
Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.