ドクトル巷談
ホーホー鳥
広瀬 正義
pp.85
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914748
- 有料閲覧
- 文献概要
私の生まれた田舎の家は,大きな林のすぐそばにあります。だから私は小さい頃は,その林に住むいろいろな鳥の声によく耳を傾けたものです。とくに秋の夜,ホーホー,ホーホーと低い調子で二声続けて鳴く鳥の声は印象的で,今でも忘れられません。
その声はウグイスやカケスのように音楽的ではありません。モズのように空気をふるわせるようなものでもありません。よく子どもが山に向かってヤッホーとさけぶでしょう。あのホーという部分だけを二つ続けたような単調な鳴き声なのです。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.