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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅵ.手根管症候群
手根管症候群重症例に対する手術決定
Indication for opponensplasty for severe carpal tunnel syndrome
鈴木 重哉
1
,
大村 威夫
2
,
鈴木 希央
1
,
阿部 雅志
1
,
松山 幸弘
2
Shigeya SUZUKI
1
,
Takao OMURA
2
1藤枝市立総合病院,整形外科
2浜松医科大学,整形外科
キーワード:
Carpal tunnel syndrome
,
Abductor pollicis brevis
,
Opponensplasty
Keyword:
Carpal tunnel syndrome
,
Abductor pollicis brevis
,
Opponensplasty
pp.627-634
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002132
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要旨:母指対立障害を有する手根管症候群に対して対立再建術を併用するか否かには様々な意見があるが,手根管開放術後の筋力回復が完全に予測可能であれば議論は収束すると考えられる。短母指外転筋複合筋活動電位(APB-CMAP)導出不能である症例に対して手根管開放術を行い,APB筋力回復とそれに影響を及ぼす因子につき多変量解析を用いて検討した。APBの徒手筋力テスト(MMT)が4以上に回復したものを成績良好群とした。罹病期間,年齢,第2虫様筋複合筋活動電位(SL-CMAP),感覚神経伝導速度(SCV)のうち,罹病期間,年齢が有意なリスク因子であった。これらのオッズ比からリスクスコアを設定,リスクスコアが高くなるに従って成績良好群の比率は低下した。リスクスコアの利用は対立再建術を併用するかの決定において患者,医師双方の一助となる可能性がある。ただし,APB-CMAP導出不能となった時期を特定可能な症例の場合,その時点から1年半以内であればリスクスコアと関係なく良好な筋力回復が得られる可能性が非常に高い。
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