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特集 骨転移診療のすゝめ―現状と課題
骨転移に対する放射線治療のいろは
Radiation therapy for bone metastases
白石 憲史郎
1
Kenshiro SHIRAISHI
1
1帝京大学医学部,放射線科学講座
キーワード:
Bone metastases
,
Radiation therapy
,
Palliative therapy
Keyword:
Bone metastases
,
Radiation therapy
,
Palliative therapy
pp.829-833
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003032
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要旨:骨転移は進行がんの転移部位として最も多く,がん患者の増加に伴いますますありふれた病態となっている。骨転移に対する放射線治療は,古くは疼痛緩和効果や除圧・固定術後の安定性を高めるなどの目的で用いられてきた。国内外の数多くの臨床研究を通して,有痛性骨転移に対する至適放射線治療の線量分割やタイミングなどが確立してきている。一方,放射線治療の技術革新は凄まじいものがあり,照射前や治療中の精確な位置合わせが可能になったり,ターゲット病巣に狙いを定めたピンポイント照射技術も用いられるようになった。特に定位照射技法は治療概念を一新するほどのインパクトがあり,主に椎体骨転移の疼痛緩和や有害事象低減に威力を発揮できる。オリゴ転移症例では進行がんであっても生命予後延長効果まで証明され,放射線治療に対する期待は非常に大きい。一方で,放射線治療の安全な運用のためには併用される薬物療法にも精通する必要があり,各施設の放射線治療技術も一様でないことから,施設ごとに最適化したチーム医療を行う必要性がある。
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