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特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅴ.高齢者・脆弱性骨折
高齢者の周術期せん妄の診断と治療update
Diagnosis and treatment of perioperative delirium in the elderly update
菊地 未紗子
1
Misako KIKUCHI
1
1済生会小樽病院,精神科・腫瘍精神科・緩和ケア内科
キーワード:
Delirium
,
Delirium prevention
,
Perioperative period
Keyword:
Delirium
,
Delirium prevention
,
Perioperative period
pp.567-577
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002969
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超高齢社会において,せん妄の発症率は高く,整形外科領域でも関心の高い問題となっている。令和2(2020)年度の診療報酬に「せん妄ハイリスク患者ケア加算」が新設され,よりせん妄予防の重要性が注視されるようになった。せん妄は,一般病院入院患者の横断的調査で11~33%の有病率と頻度の高い病態であり,死亡率の上昇,入院期間の長期化,転倒率の増加,認知機能障害などの長期予後増悪因子としても問題視されている。せん妄治療は原因除去と非薬物療法(ケア)が重要であり,保険適用外処方である薬物療法のリスクも高い。またせん妄を起こすことで,死亡率の増加や在院日数の長期化などの不利益も多く,せん妄は起こす前に予防することが重要となってくる。せん妄予防には,ケアの重要性はもちろん,内服薬の見直しや入院時の病棟指示薬の選択も重要である。
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