発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011328986
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術後せん妄に対してRisperidone(以下、本剤)を使用した高齢者15例を対象として、本剤頓用使用の有用性を検討した。平均年齢81.5歳、男10例、女5例であり、せん妄発現時と投与後翌日のThe Japanease version of the NEECHAM confusion scale(J-NCS)による評価と、本剤投与に伴う意識レベルおよびモニターによるバイタルサインを比較した。その結果、本剤総投与量は0.93±0.35mgで単回投与8例、2回投与4例、3回以上投与3例であり、投与時間帯は夕方~深夜帯に多く、本剤投与に伴う有害事象はなかった。本剤使用によりJ-NCS値は有意に増加し、せん妄に関しては全例発症より6日以内で正常な機能の状態に回復した。術後早期における本剤投与は術後せん妄患者に対して容易かつ効果的な治療と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011