特集 薬物療法が奏効する整形外科疾患
扉
田中 栄
pp.342-342
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002925
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筆者が研修医だった時代には,「どうして医学部・医師を目指したのですか?」と若い医師に質問すると,「ブラック・ジャックにあこがれて医師になりました」という返事がお約束であった。ブラック・ジャックとはすなわち外科医ということである。今でも医療系のドラマやマンガでは,主人公の多くが外科医である(と思う)。整形外科疾患の分野においても,外科的治療に脚光があたることが多い。人工関節置換術に代表されるように,問題のある部位を一気に修復してしまう外科的治療は,話が早いし見た目もダイナミックである。成功すれば,患者の満足度も医師の満足度も高い。そもそも薬物療法に興味があるような人は整形外科の門を叩きませんよ,と言われればそうなのかもしれない。よしんば興味があったとしても,整形外科疾患の代表である変形性関節症や腰部脊柱管狭窄症などはいまだに有効性が確立された薬物療法は少なく,重症例に対しては手術頼みではないか。
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