Japanese
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特集 児童虐待における整形外科医の役割
身体的虐待の評価
-―法医学の立場から―
Physical child abuse;view point from forensic medicine
内ヶ崎 西作
1
Seisaku UCHIGASAKI
1
1東京医科大学基礎社会医学系,法医学分野
キーワード:
Documentation of trauma
,
Photos of external findings
,
Risk of death from abuse
Keyword:
Documentation of trauma
,
Photos of external findings
,
Risk of death from abuse
pp.129-134
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002866
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要旨:整形外科臨床の中で接する児童虐待は,ほとんどが身体的虐待である。その診療において,X線やCTなどの画像診断とアセスメントは記録されているが,皮膚損傷が記録されていることは少ない。しかし皮膚損傷の記録や写真は,骨折などの原因となった外力がどの部位に作用したのか,つまり受傷機転の推定の重要な資料となるので残していただきたい。損傷の名称は「擦過傷」のような受傷機転が含まれた名称ではなく,「表皮剝脱」のような状態を示す用語を用いるのが望まれる。虐待は再発やエスカレートする場合があり,最悪の場合,児が死亡する。虐待による死は防げる死なので,軽視せずに通常では生じえない異常な状態と感じた時点で通告することが肝要である。意図的な虐待行為か否かの判断は不要である。通告にどうしても自信がもてない場合には,病院機能評価を受審している病院や大学病院などに紹介する方法もある。
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