Japanese
English
特集 変形性関節症の病態に迫る―疾患修飾による治療を展望して―
変形性関節症の軟骨細胞メカノトランスダクション機構
Chondrocyte mechanotransduction in osteoarthritis
小川 寛恭
1
,
秋山 治彦
1
Hiroyasu OGAWA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科,整形外科学
キーワード:
Osteoarthritis
,
Mechanotransduction
,
Chondrocyte
Keyword:
Osteoarthritis
,
Mechanotransduction
,
Chondrocyte
pp.1417-1423
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002767
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:運動刺激は軟骨細胞活動性・関節軟骨代謝を制御する最も重要な細胞外因子の一つで,過剰な非生理的運動刺激は病的メカノトランスダクションを介して変形性関節症を引き起こす。一方,適度な運動は疼痛軽減や関節機能回復,軟骨マトリックス分解酵素の発現低下などの有益な結果をもたらす。カルシウムシグナルはメカノトランスダクションの最初のステップで,近年の研究では,生理的運動刺激と過剰な非生理的運動刺激は異なる2つのカルシウムイオンチャネル(TRPV4とPiezo ion channels)を介していることが報告されている。生理的運動刺激と過剰な運動刺激におけるメカノトランスダクション機構の違いとそれらの制御メカニズムを明らかにすることは,変形性関節症の病態解明や変形性関節症の予防法,さらには新たな分子標的の同定につながると期待される。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.