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特集 脊椎脊髄領域の画像診断―最新の知識と進歩
Ⅱ.成人の脊椎脊髄疾患の画像診断
特発性脊髄ヘルニアの病態と画像診断
Pathology and diagnostic imaging of idiopathic spinal cord herniation
八木 秀樹
1
,
中島 宏彰
2
,
今釜 史郎
2
Hideki YAGI
1
,
Hiroaki NAKASHIMA
2
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院,整形外科
2名古屋大学医学部,整形外科
キーワード:
Spinal cord herniation
,
Diagnostic imaging
,
Pathology
Keyword:
Spinal cord herniation
,
Diagnostic imaging
,
Pathology
pp.575-580
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002549
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要旨:特発性脊髄ヘルニアは硬膜腹側に生じた欠損部に脊髄が嵌頓して脊髄障害を呈する疾患で,中位胸椎に多く,MRI矢状断像にて抽出される脊髄の急峻な腹側への屈曲を特徴とする。同様の所見を呈する疾患に脊髄硬膜内くも膜囊腫が挙げられるが,脊髄の屈曲角度が比較的弱く,頭尾側への病変の範囲がより多椎間に及ぶことから鑑別可能な場合が多い。本疾患はBrown-Séquard症候群を呈する頻度が比較的高いとされてきたが,単麻痺のみの軽症例や進行性の対麻痺を呈する重症例など,脊髄の嵌頓の形態に応じ多様な臨床症状を呈する。われわれが行った研究から,重症例では脊髄屈曲角(kink angle)が有意に大きく,脊髄が高度に嵌頓していることが示唆された。さらにMRI冠状断での脊髄嵌頓部位を中央型(central type)と側方型(lateral type)に分類すると,中央型では術後成績が不良であることが多い。これらの画像所見は単純MRIおよび脊髄造影後CTにて評価可能であり,術前評価として汎用性が高く有用な所見と考えられる。
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