人工膝関節全置換術後に発生した膝窩動脈急性動脈閉塞の1例

Acute arterial occlusion of the popliteal artery following total knee arthroplasty

要旨：人工膝関節全置換術（TKA）は広く行われている手術であるが，まれに重篤な合併症を生じることがある。下肢閉塞性動脈硬化症に対し膝窩動脈形成術の既往がある症例にTKAが実施され，術後に急性膝窩動脈閉塞から下腿コンパートメント症候群をきたした1例を経験した。迅速な対応により救肢しえたが，TKAを実施する際には既往歴に注意し，本疾患リスクを念頭に置いた手術計画，手術操作および周術期管理が重要である。