Japanese
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特集 股関節鏡視下手術の適応と限界
股関節micro-instabilityに対する股関節鏡視下手術の適応と限界
Indication and limitation of arthroscopic surgery for microinstability of the hip
宇都宮 啓
1
Hajime UTSUNOMIYA
1
1東京スポーツ & 整形外科クリニック・山手クリニック
キーワード:
Laxity
,
Acetabular labrum
,
Iliofemoral ligament
Keyword:
Laxity
,
Acetabular labrum
,
Iliofemoral ligament
pp.137-142
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002447
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要旨:股関節は元来,個人差はあるものの「生理的な範囲での関節の緩さ」= “laxity” を有している。股関節micro-instabilityは「症状や軟骨損傷を誘発する程度の非生理的な大腿骨頭移動」である。股関節micro-instabilityを生じる病態として,① 股関節唇損傷,② インピンジメント,③ 腸骨大腿靱帯の緩みが挙げられる。股関節micro-instabilityは,体幹強化と股関節の動的安定性を狙ったリハビリテーションで保存的に治療可能である。股関節唇損傷とインピンジメントを改善して,股関節micro-instabilityの病態を是正することが股関節鏡視下手術の意義と目的である。腸骨大腿靱帯が著しく緩み,骨頭が亜脱臼を呈しているような症例は,股関節鏡視下手術で対処することが難しい。また,医原性の腸骨大腿靱帯損傷を発生させて,不安定性を増悪させることがないように注意しなければならない。
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