Japanese
English
特集 股関節鏡視下手術の適応と限界
Borderline dysplasia・初期OAに対する股関節鏡視下手術の適応と限界
Indications and limitations of hip arthroscopic surgery for borderline developmental dysplasia and early osteoarthritis of the hip
山田 和希
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域,運動器医療材料開発講座
キーワード:
Borderline developmental dysplasia of the hip(BDDH)
,
Osteoarthritis(OA)of the hip
,
Hip arthroscopic surgery
Keyword:
Borderline developmental dysplasia of the hip(BDDH)
,
Osteoarthritis(OA)of the hip
,
Hip arthroscopic surgery
pp.129-135
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002446
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:境界型寛骨臼形成不全(BDDH)ではCE角以外の複数のX線学的指標だけでなく,MRIやCTなどの画像所見も参考にし,患者背景も加味し,関節不安定性に対する術前評価が重要である。BDDHに対する股関節鏡視下手術では,術後に不安定性を生じさせないように寛骨臼縁の骨切除を最小限にして関節唇の処置を行い,ポータル間切開した関節包を縫縮することで,短期であれば大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)とほぼ同等の手術成績が期待される。初期OAはTönnis分類grade 1あるいはK-L分類grade 1に該当し,原疾患がFAIであれば股関節鏡視下手術によりTönnis分類grade 0とほぼ同等の短期から中期の良好な成績が期待される。原疾患がBDDHの場合は術後成績が不良となる可能性があるため,注意が必要である。いずれの鏡視下手術においても,関節内病変に対する根治的処置はもちろんのこと,術後に関節不安定性が生じないように十分に配慮した手術手技が求められる。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.