Japanese
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特集 寛骨臼骨切り術の合併症低減と早期回復を目指して
Spherical periacetabular osteotomyにおける早期筋力回復と合併症低減の試み
Attempt to recover early muscle strength and reduce complications in spherical periacetabular osteotomy
兼氏 歩
1
,
髙橋 詠二
1
Ayumi KANEUJI
1
1金沢医科大学,整形外科
キーワード:
Developmental dysplasia of the hip joint(DDH)
,
Periacetabular osteotomy
,
Minimum invasive surgery
Keyword:
Developmental dysplasia of the hip joint(DDH)
,
Periacetabular osteotomy
,
Minimum invasive surgery
pp.1663-1672
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002383
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要旨:Spherical periacetabular osteotomy(SPO)は原 俊彦先生により開発された新しい寛骨臼骨切り術である。前方進入でかつ弓状線外側からノミを挿入する手術であり,originalの寛骨臼回転骨切り術(RAO)と酷似の骨切り線になる。7cmの小皮切だけでなく,筋腱切離が少なく低侵襲である。術後8週の筋力回復は術前比で膝伸展が93%,股外転が112%であった。また術後5週のCTで90%以上の症例は骨切り部が部分的に骨癒合していた。一方,術直後の知覚鈍麻も含めると,大腿外側皮神経(LFCN)障害は89%に認めた。そのうち67%は術後6カ月で対側比70%以上まで改善し,1年時80%,2年時92%が改善したが,2年以上の経過でも知覚鈍麻やしびれが残存している例も存在した。LFCN障害を軽減すべく,現在は縫工筋内側筋間アプローチを採用している。短期および症例数は少ないが,LFCN障害の発現頻度の減少,早期回復が認められた。しかし,大腿神経領域の知覚障害,麻痺を経験しているため,さらなる検討を要すると考えている。
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