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特集 寛骨臼骨切り術の合併症低減と早期回復を目指して
寛骨臼移動術における早期回復と合併症予防
Early recovery and prevention of complications in transposition osteotomy of the acetabulum
本村 悟朗
1
,
中島 康晴
1
Goro MOTOMURA
1
1九州大学,整形外科
キーワード:
Pelvic Osteotomy
,
Greater trochanter
,
Abductor strength
Keyword:
Pelvic Osteotomy
,
Greater trochanter
,
Abductor strength
pp.1617-1623
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002376
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要旨:寛骨臼移動術(TOA)は1956年に西尾によって考案された骨盤骨切り術であり,寛骨臼を外側から掘り出し回転移動させる術式である。従来法では大転子を切離してアプローチしていたが,外転筋に対する侵襲は避けられず,大転子部の骨癒合を考慮した後療法が必要となることもあり,外転筋力の回復には時間を要していた。そこで外転筋侵襲低減による早期回復を目的に,現在は大転子の切離を行わずに,かつ外転筋を腸骨稜から剝離せずに,外転筋の前後から腸骨外板の骨切りを行っている。合併症の予防対策としては,移動骨片の圧潰を防ぐ目的に骨片荷重部の厚みを20mm確保し,後柱骨折を防ぐ目的に後方の骨切りラインは骨性臼蓋縁と大坐骨切痕の中点を目安に決め,厚み15mm以上の後柱を残すことを心がけている。また,荷重開始は急がずに,術後2週より部分荷重開始としている。
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