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特集 整形外科医による整形外科医のための漢方入門
わかりやすい中医学的漢方治療
Uncomplicated Kampo therapy using traditional Chinese medicine
東儀 洋
1
Hiroshi TOGI
1
1赤羽牧洋記念クリニック
キーワード:
Orthopedic surgery
,
Traditional Chinese medicine
,
Chronic pain
Keyword:
Orthopedic surgery
,
Traditional Chinese medicine
,
Chronic pain
pp.801-808
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002164
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要旨:整形外科医が運動器疾患の疼痛などの症状に漢方を使用できるようになるためには,個々の漢方製剤が適応する患者像を自身の中に構築しなければならない。これを漢方では「証」といい,個々の方剤が適応する症候群である。ただし,やみくもに症候群を覚えるのは効率が悪いため,数学の公式を用いるがごとく中医学理論をあてはめると,その要点がはっきりする。筆者はこれを「中医学的漢方」と呼びたい。高齢者の患者が圧倒的に多い整形外科において,加齢現象を意味する「腎」に注目すると実に多くの患者を治療することができる。また,「肝」は感情と運動をコントロールしているが,慢性疼痛においては脳での中枢感作が大きく関与している。情動をコントロールし疼痛の遷延化を防ぐためには「肝」の病証を治療する柴胡剤の使い方に習熟する必要がある。
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