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特集 オンライン診療への取り組みと今後の展望
精神科領域におけるオンライン診療への取り組み
Approaches to telemedicine in the field of psychiatry
木下 翔太郎
1
,
岸本 泰士郎
1
Shotaro KINOSHITA
1
1慶應義塾大学医学部,ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
キーワード:
Telemedicine
,
Telepsychiatry
,
Evidence
Keyword:
Telemedicine
,
Telepsychiatry
,
Evidence
pp.41-47
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001999
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要旨:精神科における診察,診断,症状評価は互いの顔を見ながらの面接が中心となるため,遠隔医療が馴染みやすい診療領域である。遠隔精神科医療の歴史は古く,2009年にWHOが行った調査でも,精神科は放射線科・病理科・皮膚科と並んで遠隔医療の普及が進んでいた診療領域であるとされていた。さらに,近年の研究では,遠隔医療における症状評価,治療の有効性,満足度,費用対効果について,対面診療と比べて遜色ない結果も多く報告されている。2020年以降,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,多くの国で規制緩和が行われ遠隔医療の利用が拡大した。特に精神科領域においては,パンデミック下において既存患者の症状の増悪も報告されており,遠隔医療も広く活用されている。わが国においては診療報酬の価格の低さなどが普及の課題であると考えられるが,国内での運用事例やエビデンスの蓄積などを通して,遠隔精神医療の適切な普及が進むことが望まれる。
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