Japanese
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特集 オンライン診療への取り組みと今後の展望
日本におけるオンライン診療の展開
Development of telemedicine in Japan
岸本 泰士郎
1
,
木下 翔太郎
1
Taishiro KISHIMOTO
1
1慶應義塾大学医学部,ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
キーワード:
Telemedicine
,
Regulation
,
Medical fee revision
Keyword:
Telemedicine
,
Regulation
,
Medical fee revision
pp.33-39
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001998
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要旨:わが国における遠隔医療の普及は1997年に厚生省から広く実施を認める通知が出たことに始まる。その後,国内でのエビデンス作りが進む中で,2018年度の診療報酬改定で「オンライン診療料」が初めて位置づけられた。しかし,オンライン診療料は対象疾患の範囲が狭く,算定要件も厳しかったことから,2019年末までの国内での普及は限定的であった。
2020年に入り,新型コロナウイルス感染症の拡大が,世界各地で大きな犠牲者を出し,人々の生活様式にも大きな影響をもたらした。医師と患者双方の感染リスクを軽減する手段として遠隔医療が注目されることとなり,世界各国で利用が促進された。わが国でも規制緩和が行われ,保険診療で遠隔医療の実施可能な疾患が大きく広がり,利用も増加した。しかし,初診での処方制限や,診療報酬の点数の低さなどから,その普及は諸外国と比較すると限定的であるとみられる。患者のニーズを踏まえた,遠隔医療の適切な普及が望まれる。
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