開放骨折の初期治療

Initial treatment of open fractures

要旨：開放骨折は高エネルギー外傷である。四肢単独外傷であってもショックに至ることがある。しかし，四肢単独の外傷の場合もしくは他部位の外傷が軽微な場合には，全身管理に慣れていない整形外科医が主科として診療にあたることが多く，初期治療において，全身評価，蘇生が不十分であると生命を失いかねない。また，開放骨折には血管損傷が合併することもある。適切な診断，迅速な血管修復を行わなければ，切断に至る可能性もある。そのため，整形外科医は，開放骨折初期治療において，骨折の診療から行うのではなく，全身，血管，骨折部の順に優先順位をもって評価，治療を行う必要がある。また，自施設で治療を完結できないことも少なくなく，治療が困難だと判断した場合には，可及的速やかに専門治療が可能な施設に転送することも考慮する必要がある。