特集 腹部外傷の救急手術手技2019
腹部外傷に対するdamage control surgery
安松 比呂志
1
,
松本 尚
1
1日本医科大学千葉北総病院救命救急センター/ショック・外傷センター
キーワード:
腹部外傷
,
damage control surgery
,
damage control strategy
Keyword:
腹部外傷
,
damage control surgery
,
damage control strategy
pp.121-127
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001041
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1993年にRotondoら1)が“damage control”という言葉を用いて重傷穿通性外傷に対する治療戦略を報告してから四半世紀が経過し,その概念は広く認識されるようになった。“Damage control”はもともと軍事用語であり,被害を受けた艦の損傷を最小限に留め,損傷を修復しつついかにして沈没させずに寄港するかという戦略に由来する。1981年にFelicianoら2)が出血コントロールのつかない肝損傷に対する肝周囲のパッキングを報告し,また,1983年にStoneら3)が重篤な凝固障害に陥った症例に対する腹腔内パッキングを行い,凝固障害を改善させたのちに二期的に手術を行った報告がdamage control surgery(DCS)の起源と言われている。
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