整形外科手術 名人のknow-how
股関節唇損傷を伴ったFAIに対する股関節鏡視下手術
内田 宗志
1
Soshi UCHIDA
1
1産業医科大学若松病院,整形外科
pp.720-725
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001743
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股関節鏡視下手術の最も良い適応疾患は,大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)に伴った股関節唇損傷である。FAIは特有の骨形態異常を有する大腿骨近位部と寛骨臼が股関節の運動に伴い繰り返し衝突(インピンジメント)することで,関節唇および寛骨臼軟骨の損傷が生じるとされている1)。特にCam病変は,変形性股関節症(osteoarthritis;OA)のリスク因子であることが明らかにされている2)。特にCam変形の中でもピストルグリップ変形はOAへと進行するリスクとなると報告されている3)。FAIは無症状であっても,数年を経過すると関節症へと進行することも報告されており4),サイレントキラーと呼ばれ,早めに手術を行う必要があるとされている。FAIに対する関節温存手術は,関節症進行を予防する可能性があることを示唆している。
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