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特集 早期変形性膝関節症の診断と治療
人工膝関節置換術の適応
Knee arthroplasty for early osteoarthritis;surgical indication
乾 洋
1
Hiroshi INUI
1
1東京大学医学部附属病院,整形外科・人工関節センター
キーワード:
Early osteoarthritis
,
Bi-cruciate retaining knee arthroplasty
,
Surgical indication
Keyword:
Early osteoarthritis
,
Bi-cruciate retaining knee arthroplasty
,
Surgical indication
pp.331-339
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001657
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要旨:早期変形性膝関節症(膝OA)への保存加療が無効であった場合,他の治療選択肢の一つとして人工膝関節置換術が挙げられる。そのような症例においては,症状は強くとも損傷部位は限局していることが多く,人工膝関節部分置換術(UKA/PFA)や両十字靱帯温存人工膝関節全置換術が適応となることが多いであろう。人工膝関節手術は「最後の砦」と考える整形外科医も多いと思われるが,「何故疼痛が強いのか十分に説明がつかない」早期の膝OAに対してでも,人工膝関節手術を行えば必ず痛みが取れる,と考えるのは大きな誤りであり,注意が必要である。そういった症例に対しては,手術の前にまず関節リウマチや脊椎疾患など,他疾患による膝痛も強く疑う必要がある。早期膝OAに対する人工膝関節手術こそ,手術適応を厳密に守って行う必要がある。本稿では特に「適応」を重視して解説した。
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