整形外科手術 名人のknow-how
悪性骨腫瘍に対する液体窒素処理骨を用いた患肢機能温存手術
武内 章彦
1
,
土屋 弘行
1
Akihiko TAKEUCHI
1
1金沢大学附属病院,整形外科
pp.1462-1467
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001483
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悪性骨腫瘍に対する患肢温存手術は,広範腫瘍切除(画像上の境界から数cm離れた部位で正常の組織で覆った状態での切除)した後に,生じた欠損を種々の方法で再建する手術である。その再建方法として,腫瘍用人工関節が最も普及しているが,感染,破損,緩みなどの合併症が問題となる1)。また,人工関節を設置するためには,腫瘍切除による罹患骨の骨欠損に加えて,隣接関節の関節面の切除も要する。さらに,人工関節には軟部組織の再縫着は困難である。そこで,可能な限り骨を温存し,軟部組織の再縫着が可能である同種骨2)や自家骨移植3),処理骨移植4)~7),骨延長といった生物学的再建術も広く普及している。本邦では同種骨の入手が困難なため,処理骨移植術が発展した歴史がある。
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