Japanese
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特集 青少年野球における投球障害の現状と予防の歩み
スポーツ医からみた野球界の課題
Problems of Japan baseball in aspect of medical health care for baseball player
渡邊 幹彦
1
Mikihiko WATANABE
1
1東京明日佳病院,整形外科,日本野球協議会医科学部会
キーワード:
Osteochondritis dissecans(OCD)
,
Throwing elbow
,
Baseball
Keyword:
Osteochondritis dissecans(OCD)
,
Throwing elbow
,
Baseball
pp.1167-1175
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001420
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要旨:野球では肩肘障害に悩む選手が未だに多く,早期発見のため野球肘検診などが行われるようになってきたが,多くの団体が運営面などで問題を抱えており,野球界全体でサポートする必要がある。スポーツ医学が発達した今日,選手時代の経験をだけを重要視する指導法ではなく,解剖・生理・バイオメカニクスを理解した上で「日本の野球」を指導できる指導者育成が重要であり,野球界全体の取り組みが待たれる。日本発祥の軟式野球は中学野球軟式部員の減少が著しく,中学軟式野球の投球過多も問題である。2020年から高校野球では週500球の投球制限が始まるが,肩・肘の障害予防は投球を制限すれば解決する問題ではなく,連投の制限や複数投手育成,大会日程など総合的に対応する必要がある。障害の早期発見や検診システムの確立など医師の積極的関与が現場からは望まれており,全国各地の医師間の連携が今後ますます重要になると考える。
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