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医師の働き方改革と組織のトップ
川口 善治
1
1富山大学医学部,整形外科
pp.1117-1117
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001412
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医師の働き方改革に関する話題が取りざたされている。厚生労働省のホームページに掲載されている2019年3月の報告書によると1),「我が国の医療は,医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられていることが認識された上で,日本のよい医療を将来にわたって持続させるためには,現状を変えていかなくてはならない」と謳っている。2024年4月から平成30年改正労働基準法に基づく時間外労働に対する規制を適応するとして,具体的な1年の時間外労働時間を当面は1,860時間以下,2024年以降は960時間以下とすると記載されている。たしかに医師も人間であり,毎日過労を強いられる環境での労働には限界がある。細心の注意を持って患者を診察したり,最高のパーフォーマンスで手術を行ったりするためには十分な休息が必要であることはいうまでもない。また,当然,仕事以外の余暇も楽しんでしかるべきである。ワークライフバランスの関心が高まっている状況での当然の変革であろうことは容易に理解できる。私は富山県の医師会で男女共同参画担当理事を拝命しているが,男女共同参画の理念の一つは,男性女性の区別なく医師全体の働き方改革を大前提としたものであろうと考えている。
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