Japanese
English
臨床経験
鎖骨骨折骨接合術に用いたKirschner鋼線の胸腔内迷入の1症例
Migration of a Fracture-transfixing Kirschner Wire into the Thoracic Cavity: A Case Report
新藤 正輝
1
,
前川 和彦
1
,
荒木 崇一
2
,
大野 司
2
Masateru Shindo
1
1北里大学医学部救急医学
2北里大学医学部整形外科
1Department of Critical Care and Emergency Medicine, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
鎖骨骨折
,
clavicular fracture
,
迷入
,
migration
,
K鋼線
,
K-wire
Keyword:
鎖骨骨折
,
clavicular fracture
,
迷入
,
migration
,
K鋼線
,
K-wire
pp.1103-1106
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908193
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抄録:鎖骨骨折の骨接合術に用いたKirschner鋼線が術後徐々に移動,胸腔内に迷入し術後2カ月目に発見された1症例を報告した.鋼線は右肺上葉を貫通,縦隔内に刺入し気胸の状態であったが,大血管,食道等の損傷は認められなかった.手術器具として用いられた鋼線迷入の報告は本邦では稀であるが,外国においては比較的多く,我々の調べ得た限りでは41例の報告がある.原因として鋼線が骨髄内を貫通していないこと,その端側が充分に曲げられていないこと,術後の固定が不十分なことなどが挙げられている.本症例も術後ギプスによる固定は行われていたが,端側は全く曲げられておらず,術後の経過中に胸痛,呼吸困難等の症状を訴えていたにもかかわらず放置されていたことが発見を遅らせる結果になったと思われる.
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