男女共同参画の視点からみた働き方改革

Work style reform from a perspective of gender equality

要旨：厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」では「緊急的に取り組むべき課題」の6項目が提案された（36協定等の自己点検，既存の産業保険の仕組みの活用，タスク・シフティング［業務の移管］の推進，女性医師等に対する支援，医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組）が，6項目の一つに「女性医師等に対する支援」が入っているのは注目に値する。いったん就労した女性がライフイベントによって職場を離れる「M字カーブ」は女性医師にも存在しており，そのことが現場の過重労働にさらに拍車をかける要因ともなっていることは否定できない。もちろん女性医師にとってもキャリアの中断は望ましいことではなく，女性医師等の支援とは，働き方改革と医師のキャリア形成の双方に寄与する重要な方策といえる。働き方改革と男女共同参画は不可分と考えられ，その具体的な方法と今後の方向性について岡山大学病院での実践例も含めて述べたい。