Japanese
English
特集 半月板—Save the Meniscus
Ⅰ.半月板の基礎
損傷半月板の治癒機転
Meniscal healing process
新井 祐志
1
,
藤井 雄太
2
,
中川 周士
1
,
井上 裕章
2
,
三上 靖夫
3
Yuji ARAI
1
,
Yuta FUJII
2
,
Yasuo MIKAMI
3
1京都府立医科大学大学院医学研究科,スポーツ・障がい者スポーツ医学
2同上,運動器機能再生外科学(整形外科)
3同上,リハビリテーション医学
キーワード:
Menisucus
,
Vascularization
,
Repair
Keyword:
Menisucus
,
Vascularization
,
Repair
pp.513-518
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001267
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要旨:半月板は,荷重分散や衝撃吸収など膝関節において重要な役割を果たしている。半月板がスポーツや加齢などによって損傷または変性した際に,たとえ部分的であっても切除するとこれらの機能が低下し,変形性膝関節症のリスクが増大する。近年では,関節鏡手技や材料の進歩により半月板縫合術を用いた半月板温存術が推奨されている。一方,半月板の血行動態は特殊で,辺縁の20〜30%のみにしか血流がなく,中心部には血流がみられない。このため,辺縁部の損傷は治癒しやすいが,中心部の損傷では自然修復能に限界があり,縫合術を行っても治癒しないことがある。近年,損傷した半月板の治癒を促進する因子として,これまで,種々の細胞増殖因子を含有したfibrin clotやPRP,滑膜幹細胞の縫合部への移植を併用したaugmentation therapyが注目され,今後の半月板修復の治療成績の向上が期待される。
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