Japanese
English
特集 半月板—Save the Meniscus
Ⅱ.損傷半月板の診断と治療の現状
半月板切除術の予後
Prognosis of arthroscopic meniscectomy for medial, lateral and discoid meniscus injury
田代 泰隆
1
Yasutaka TASHIRO
1
1九州労災病院,スポーツ整形外科
キーワード:
Meniscus injury
,
Arthroscopy
,
Meniscectomy
Keyword:
Meniscus injury
,
Arthroscopy
,
Meniscectomy
pp.565-569
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:半月板損傷に対してはこれまで関節鏡視下半月板切除術が一般的な治療法として数多くなされてきたが,その長期的な治療効果はしばしば不確実で,将来的な変形性関節症の誘因にもなりうる。なかでも外側半月板切除術は内側よりも予後が不良で,活動性の高い症例では軟骨融解などの合併症が起こりうる。内側半月板における広範な切除術は骨髄浮腫や膝骨壊死の発生リスクを増大させ,関節症進行例に変性断裂の切除術を行っても治療効果は乏しい。円板状半月板の損傷例では不適切な放置や切除を行うと関節症の進行や離断性骨軟骨炎が発生しうるが,辺縁が安定した例であれば形成的切除により半月板温存を行うことで症状の改善を得ながら,亜全摘術や全摘術よりも関節症進行を軽減する上で有効である。半月板損傷の部位や血行領域,断裂形態の違いや年齢など,損傷タイプによる切除予後の違いを理解して適切に治療術式を選択することが重要である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.