最新基礎科学/知っておきたい
Tendon gel(腱の再生)
鳥越 甲順
1
,
葛巻 徹
2
,
中瀬 順介
3
,
土屋 弘行
3
Kojun TORIGOE
1
,
Toru KUZUMAKI
2
,
Junsuke NAKASE
3
,
Hiroyuki TSUCHIYA
3
1福井医療大学保健医療学部リハビリテーション学科
2東海大学工学部材料科学科
3金沢大学医学部整形外科学
pp.542-545
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200836
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はじめに
45年前,組織学実習で「腱はコラーゲン線維の束である.線維束間には線維芽細胞(腱細胞)が散在し,透過型電子顕微鏡(電顕)では翼を広げているようにみえるので翼細胞とも呼ばれる」との説明を受けた.整然と並ぶコラーゲン線維に美を感じ,翼の持つ快い響きに惹かれて,いつか機会があれば,コラーゲン線維はどのようにして縦列するのか,その配向性機構を調べてみたい.また,腱細胞はどのような翼を広げているのかと,腱に興味を抱いていた.図1は,現在,組織学実習で供覧している腱の組織像である.腱細胞に白鷺(シラサギ)の飛び立つ様を思い浮かべないだろうか.
本稿では,腱の創傷治癒(再生)過程を解析し,コラーゲン線維の配向性機構を追究した.
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