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特集 がんロコモの展望
がん患者に対する手術介入によるQOL改善の実際
Actual improvement of QOL by surgical intervention for cancer patients
大島 和也
1
Kazuya OSHIMA
1
1社会医療法人生長会 ベルランド総合病院,リハビリテーション科
キーワード:
Cancer/locomotive syndrome
,
Quality of life(QOL)
,
Palliative surgery
Keyword:
Cancer/locomotive syndrome
,
Quality of life(QOL)
,
Palliative surgery
pp.843-849
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000929
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要旨:がんロコモが謳われる時代となり,がん診療に対する整形外科の関わりはこれまでとは大きく異なる。がん患者を診ないわけにはいかず,その対応に苦慮することもあるが,運動器のプロフェッショナルである整形外科の役割は明白で,なぜ「動けない」「生活できない」のかを知り,その原因となる運動器の障害を改善することである。その手段の一つが手術(緩和外科)である。脊椎転移による脊髄麻痺は,圧迫が強ければ強いほど独歩達成率が下がるが,救済が早ければ早いほど機能予後が上がる。また,術後に,歩行可能であれば,抗がん剤治療可能であれば,合併症がなければ,生命予後が良い。ただし,Frankel Aは実用性の回復が困難であり,目標は早期の離床となる。がん患者の望みは,痛みや苦しみをとり,「動ける」「生活できる」ようになることである。これが,まさにがん診療の緩和医療であり,そこに運動器のプロフェッショナル,緩和外科の介入が求められている。
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