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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅰ.脊椎アライメント/画像診断
脊椎感染症疾患の診断・治療におけるFDG-PET/CTの役割
Role of clinical diagnosis and treatment for spinal infection disease using FDG-PET/CT
中原 誠之
1
,
伊東 学
2
Masayuki NAKAHARA
1
,
Manabu ITO
2
1北須磨病院,脊椎・腰痛センター
2独立行政法人 国立病院機構北海道医療センター,脊椎脊髄病センター
キーワード:
18-fluorine fluorodeoxyglucose positron emission tomography
,
Spinal infection
,
Clinical diagnosis and treatment
Keyword:
18-fluorine fluorodeoxyglucose positron emission tomography
,
Spinal infection
,
Clinical diagnosis and treatment
pp.449-455
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000855
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要旨:脊椎感染症の画像診断で最も頻用するMRIは,感染周囲の浮腫性変化まで描出するため病巣範囲が過大評価されるだけでなく,脊椎インストゥルメンテーション手術後の金属アーチファクトの問題があった。近年,腫瘍の全身検索で用いるFDG-PETが脊椎感染症に対し臨床応用されている。Fluorine-18-fluorodeoxyglucose(FDG)は組織糖代謝の指標であり,糖代謝が亢進する細胞,すなわち活性の高い細胞に多く取り込まれ集積する性質がある。このFDG-PETの特性を脊椎感染症に利用し,細胞活性を視覚的かつ特異的に感染巣として描出できる。これにCTを組み合わせたFDG-PET/CTは,三次元的な解剖学的整合性をも獲得できるようになった。金属アーチファクトの影響も受けにくく,脊椎固定術後の感染症の評価にも優れる。PET/CTが与えてくれる質的情報により,脊椎感染症の検出率が向上するだけでなく,感染領域に対する治療のターゲッティングも可能になり,より確実で低侵襲な方法を選択することができる。
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