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1.はじめに
悪性リンパ腫診療において,病期分類,治療効果判定などについて,様々な画像診断が用いられている.2002年に18F標識フルオロデオキシグルコース(fluorodeoxyglucose;FDG)-ポジトロン断層撮影法(positron emission tomography;PET)の保険診療が可能となり,わが国でも普及しつつある.しかし,すべての施設で施行可能ではなく,また保険適応も限られているため,今後悪性リンパ腫診療においてFDG-PETをどのように用いるべきかを検討する必要がある.また,悪性リンパ腫は,早期に適切な治療を行うことにより治癒可能な疾患である.悪性リンパ腫の治療を行うためには,適切な病理組織診断および病期診断を行い,予後予測因子に応じた治療方針の決定が必要である.現在,病理組織分類は,WHO分類が使用されており,Hodgkinリンパ腫,B細胞性腫瘍,T/NK細胞性腫瘍に分けられている.WHO分類では非ホジキンリンパ腫は35種類,Hodgkinリンパ腫は5種類に分類されており,また臨床的な進行度に応じて低悪性度,中悪性度,高悪性度に分けられ(表1),治療方針および予後も大きく異なっている.成人リンパ腫治療研究会(Adult Lymphoma Treatment Study Group;ALTSG)での頻度を図1に示す1).また,国際予後指標(international prognositic index;IPI)が提唱され(図2),その予後因子の1つとして臨床病期が入っているため,治療前に病期分類を適切に行うことが大切であり,そのためFDG-PETによる病期判定が期待されている.
今回は,悪性リンパ腫の病期診断,治療効果の判定に対するFDG-PETの有用性を概説する.
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