Japanese
English
Bedside Teaching
肺癌診療におけるFDG-PETの役割
The Role of FDG-PET in the Management of Lung Cancer
梅岡 成章
1
,
佐賀 恒夫
1
,
小山 貴
2
,
東 達也
2
,
富樫 かおり
1
Shigeaki Umeoka
1
,
Tsuneo Saga
1
,
Takashi Koyama
2
,
Tatsuya Higashi
2
,
Kaori Togashi
1
1京都大学大学院医学研究科画像診断・核医学
2京都大学附属病院放射線部
1Department of Diagnostic Imagine and Nuclear Medicine, Graduate School of Hospital
2Department of Radiology, Kyoto University Hospital
pp.613-618
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100068
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はじめに
18F-fluorodeoxyglucose(以下 FDG)はブドウ糖類似のポジトロン製剤である.FDGは,体内では自然界に存在するブドウ糖と同様にglucosetransporter(GLUT)を介して細胞内に取り込まれ,ヘキソキナーゼによるリン酸化を経て解糖系により代謝が行われる.このリン酸化されたFDG(FDG-6-リン酸)はブドウ糖とは異なり,解糖系に進めず細胞内に蓄積する(metabolictrapping).このためFDG は,①GLUTが多く発現している,②ヘキソキナーゼ活性が高い,③細胞密度が高い組織ほど高集積を示す.一般に悪性腫瘍はこれらの要因を全て満たしている.FDG集積の分布を画像化するFDG-PET検査は従来の画像診断とは異なり,形態変化に依存しない腫瘍組織の糖代謝亢進を反映する画像診断法と考えられる.
2002年4月より12の疾患に対してFDG-PET検査は保険適用となり,その臨床応用に拍車がかかってきた.肺癌もこの疾患群に含まれており,今後もさらなる臨床応用の拡大が予想される.そこで,本稿では肺癌診療におけるFDG-PETの有用性および注意すべきピットフォールを述べる.
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