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I.はじめに
いわゆるmalignant gliomaに対する今日の治療は,可能な限りそれを切除することがまず推奨される現状と思われる.加えて放射線療法・化学療法の向上に伴い延命効果が期待できる.しかしながら悪性度の高いものでは,1年以内の再発・死亡は半数以上に及び,かつ再発腫瘍例に対しては,その治療の困難性を一層痛感せざるをえない場合が多い.このような見地からも化学療法は魅力的なものである.近年adriamycin(ADM),nitro-sourea系などの新しい抗癌剤の開発により,その効果が期待されているが,依然それは十分確立されていない.
われわれは以前ADMの患側頚動脈内投与を繰り返したところ,顕著な縮小効果が得られた悪性髄膜腫の1例を経験,報告9)した.以来,悪性脳腫瘍の術後あるいは再発の症例に対する療法の一環として,ADMの間歇的頸動脈内投与を施行してきており,それら症例に対する効果と腫瘍組織へのADM移行などについて検討を加えたので,報告する.
Seventeen patients, aged 9 to 63 years (mean age38.2 years), with 6 recurring malignant glioma, 5 ma-lignant meningioma, 4 metastatic brain tumor, oneendodermal sinus tumor and one embryonal carcinomawere postoperatively treated with adriamycin (ADM).As a rule, 20 mg of ADM (to 960 mg in a total dosis)were given by means of intra-carotid administrationevery two weeks (to 250 months in duration).
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