Japanese
English
臨床
ばね指に対する手術成績の問題点と一対策
-―特にステロイド注射後の再発例について―
Surgical results for trigger finger;problems of patients after steroid injection
井上 貞宏
1
Sadahiro INOUE
1
1井上整形外科
キーワード:
Trigger finger
,
Steroid injection
,
Tenosynovitis
Keyword:
Trigger finger
,
Steroid injection
,
Tenosynovitis
pp.759-764
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000490
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要旨:ばね指に対して手術を行い,成績を確認した213指を対象とした。術前に腱鞘内トリアムシノロン注射(TA注射)を行っても再発して手術になったものが171指であった。成績評価は術後平均2.0カ月で行い,可動域制限や疼痛などの愁訴残存例にはTA注射を追加した。追加治療を行った最終成績は術後平均4.2カ月で評価した。結果は,母指以外の罹患指は母指に比べて愁訴残存例が多かった。多数回の注射を行っても再発して手術に至った症例は愁訴残存例が多かった。愁訴残存例にはTA注射を追加して最終成績は有意に改善した。ばね指に対するTA注射は有効な保存療法であるが,TA注射後の再発ばね指では術後愁訴が長引く傾向にある。術後愁訴はTA注射の追加で改善するので,原因は腱鞘炎の難治化であると考えられた。しかし,PIP関節の拘縮が難治化している場合もある。以上より,ばね指手術といえども術後愁訴が残存する場合があり,適切な追加治療も必要である。
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