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特集 ロコモとフレイル
ロコモティブシンドロームとフレイル
-―その異同―
Locomotive syndrome and frailty;their similarity and difference
中村 耕三
1
Kozo NAKAMURA
1
1東京大学名誉教授
キーワード:
Locomotive disability
,
ADL disability
,
Walking
Keyword:
Locomotive disability
,
ADL disability
,
Walking
pp.673-678
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000475
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要旨:ロコモティブシンドローム(ロコモ)とフレイルは,高齢者での機能低下を必ずしも不可逆的ととらえないところに共通点がある。一方,基本的な考え方や,疼痛に対する対応が異なっている。ロコモは「立ち上がる,歩く」という移動機能に視点があるが,フレイルは身体的,精神・心理的,社会的な側面から高齢者を多角的にとらえる点が異なる。地域での頻度はロコモがフレイルに比べ高く,その理由として定義の違いでもあるが,ロコモは障害のより初期段階を,フレイルはより進行した状態を診ている可能性もある。歩行障害はその他のADL障害の出発点であることが大きい理由と考えられる。その意味では,両者は補完する関係にあるのかもしれない。また,運動器の疼痛はロコモの重要な要因であるが,フレイルではそもそも記載がない点は大きな違いである。
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