特集 内分泌疾患に伴う運動器障害
原発性副甲状腺機能亢進症と骨代謝異常
山内 美香
1
1島根大学医学部,内科学講座内科学第一
キーワード:
Primary hyperparathyroidism
,
Hypercalcemia
,
Osteoporosis
Keyword:
Primary hyperparathyroidism
,
Hypercalcemia
,
Osteoporosis
pp.1571-1577
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000237
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要旨:副甲状腺に発生した腺腫や過形成あるいは癌からPTH が自律的かつ過剰に分泌され,高Ca 血症をきたす疾患がpHPT である。pHPT は成人における高Ca 血症の原因疾患として,悪性腫瘍に伴う高Ca 血症に次いで多く,頻度の高い疾患である。このことから,骨粗鬆症,尿路結石,ALP高値,そして骨代謝マーカーの異常高値を認める場合は本疾患を想起し,血中Ca とPTH 値を同時に測定することが望まれる。pHPT の根治治療は病的副甲状腺の摘出であり,骨病変や尿路結石,高Ca 血症による自覚症状を認める場合は絶対的手術適応となる。手術により明らかな骨密度増加効果と骨折抑制効果が示されている。手術困難例や再発例などには,高Ca 血症の治療薬としてシナカルセト,骨粗鬆症治療薬としてビスホスホネート製剤の有効性が示されている。無症候例で手術を行わなかった場合においても,年1 回の血液検査,骨密度測定,椎体骨折判定,尿路結石の確認が推奨されている。
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