特集 ステロイド関連大腿骨頭壊死症の予防と新しい治療
ステロイド関連骨壊死に対する新たな予防の可能性
市堰 徹
1
,
植田 修右
1
,
土屋 雅信
1
,
兼氏 歩
1
,
松本 忠美
1
,
川原 範夫
1
1金沢医科大学,整形外科学
キーワード:
Steroid-associated osteonecrosis
,
Stem cell
,
Necroptosis
Keyword:
Steroid-associated osteonecrosis
,
Stem cell
,
Necroptosis
pp.1373-1377
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000178
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これまでわれわれは,本疾患への酸化ストレスの関与を中心に機序の解明および予防法の検討を行ってきた。今回は,少し検討角度を変えて,骨壊死における新規細胞死necroptosisの関与について調査した。その結果,プログラムされた壊死という新しい概念であるnecroptosis の関与が本疾患モデルでも認められた。したがって,制御不能と考えられていた壊死という概念であるステロイド関連骨壊死にもnecroptosis が関与している可能性が示唆された。また,骨髄間葉系幹細胞(MSC)を低侵襲に経静脈投与を行い,骨壊死の発生率および投与したMSC の生体での分布についての検討を行った。経静脈的に全身投与したMSC は,本モデルの骨壊死好発部位である大腿骨近位部に出現を認め(MSC のhoming作用),骨壊死発生の有意な減少が認められた。MSC の静脈投与は非常に簡便であり,低侵襲であることから臨床応用にも期待がもてると考えられた。
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