創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
Mason-Allen 変法を用いた鏡視下大¯筋膜パッチ法
田中 稔
1
1東北労災病院,スポーツ整形外科
キーワード:
Irreparable massive rotator cuff tear
,
Arthroscopic fascia lata patch graft
,
Modified Mason-Allen technique
Keyword:
Irreparable massive rotator cuff tear
,
Arthroscopic fascia lata patch graft
,
Modified Mason-Allen technique
pp.1173-1181
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000139
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一次修復が困難な肩腱板広範囲断裂に対するパッチ修復術では,術後再断裂が問題の一つとして挙げられる。われわれは2010 年よりMason-Allen 変法を用いた鏡視下大¦筋膜パッチ法を行っている。術式の概要は,腱板断端のdebridement とモビライゼーションを行った後,採取した大¦筋膜を二重折りとし,腱板の欠損部よりやや小さめのサイズのパッチを作成する。Mason-Allen変法に準じて縫合糸を腱板にバランスよくかけた後,パッチを関節内に導入しパッチと腱板を縫合する。パッチと大結節の縫着は,suture bridge法あるいはtransosseous法にて行うものである。本術式では,パッチの強度を上げるため大¦筋膜を二重折りとし,さらにパッチの辺縁を全周性にマットレス縫合を加えることと腱板とパッチの縫合にMason-Allen 変法を用いることで,初期固定の強化とパッチと腱板やパッチと大結節の縫合部におけるチーズカットを防ぐことが期待できると考えている。
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