鏡視下腱板修復術においてMason–Allenを併用したsuture bridge法は従来のsuture bridge法より優れている

The combined suture bridge with Mason–Allen technique is superior to the conventional suture bridge technique for arthroscopic rotator cuff repair

【要　旨】

　目　的：本稿の目的は腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術（ARCR）を行った患者において，Mason–Allenを併用したsuture bridge（SBMA）法と従来のsuture bridge（SB）法の臨床成績と再断裂率を比較することである．

　対象および方法：ARCRを行い2年以上追跡が可能であった102例（SB法50例，SBMA法52例）を対象とした．MRIで術前の断裂サイズと脂肪変性，術後2年の再断裂率を評価し，術後2年以上の最終追跡時の臨床評価を日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準（JOAスコア）で行い，それぞれの項目を2群間で比較した．

　結　果：術前の断裂サイズ，脂肪変性，JOAスコア，術中のアンカー数に有意差はなかったが，SBMA法はSB法より有意に再断裂率が低く（p＜0.01），最終追跡時のJOAスコアが高かった（p＝0.02）．

　結　論：SBMA法を用いたARCRは従来のSB法よりも低い再断裂率と良好な臨床成績であった．