特集 非典型症例と類似疾患を知ってCommon Diseaseを極める
3 腹部
⑲ 女性生殖器▶卵巣・卵管
髙濱 潤子
1
Junko Takahama
1
1市立東大阪医療センター 放射線科
1Department of Radiology Higashiosaka City Medical Center
キーワード:
卵巣成熟奇形腫
,
明細胞癌
,
粘液性腫瘍
Keyword:
卵巣成熟奇形腫
,
明細胞癌
,
粘液性腫瘍
pp.1295-1308
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002551
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卵巣・卵管病変は,婦人科医による超音波検査で基本的に充実成分を伴わない嚢胞性腫瘤を良性病変と取り扱い,大きく全体像が観察できない例や充実成分を疑うもの,非典型像を示す病変に対してMRIなど画像検査が依頼される。したがってMRI診断で求められる目的の一つは,存在がわかっている付属器病変の良悪を含めた病理組織像の類推といえる。卵巣・卵管腫瘍のMRI診断にO-RADSによるスコアリングシステムを適応する動きがあるが,本稿ではスコアリングにかかわらず,日常遭遇する頻度の高い付属器病変として,確実に良性病変であると診断すべき成熟奇形腫,子宮内膜症性嚢胞,そして悪性付属器腫瘍(境界悪性腫瘍を含む)を取り上げる。これらの病変のMRI所見を中心に典型像と非典型像について述べ,鑑別すべき類似の画像所見を示す他疾患に関して解説する。
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