特集 非典型症例と類似疾患を知ってCommon Diseaseを極める
3 腹部
⑳ 泌尿器▶副腎・後腹膜
福倉 良彦
1
,
神吉 昭彦
1
,
伊藤 康介
1
,
惠島 史貴
2
Yoshihiko Fukukura
1
1川崎医科大学 放射線診断学
2鹿児島大学医歯学総合研究科 放射線診断治療学
1Department of Radiology Kawasaki Medical School
キーワード:
副腎
,
後腹膜
,
CT
,
MRI
Keyword:
副腎
,
後腹膜
,
CT
,
MRI
pp.1309-1320
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002552
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後腹膜は,臓側腹膜背面から背部の腹横筋膜までの潜在的空間で,頭尾側は横隔膜下腹膜外腔~骨盤腹膜外腔と連続している。また,腎筋膜により,前腎傍腔(膵,上行・下行結腸,十二指腸下行部~上行部),腎周囲腔(腎,近位尿管,副腎,精巣・卵巣動静脈)および後腎傍腔の3つのコンポーネントに分けられる。副腎は腎周囲腔内で腎臓の内側上方に位置する一対の内分泌器官である。右副腎はピラミッド状,左副腎は半月状の形態を呈し,断層画像の横断像では “人” の字型に描出され,中心の体部と左右に分かれた厚み5mm未満の内・外側脚を認める。一方,後腹膜腔には,副腎,腎・尿管,膵,消化管などの臓器以外に血管,リンパ管,リンパ節,神経,線維組織や脂肪などの結合織があり,様々な腫瘍が発生する。副腎と後腹膜腫瘍いずれにおいても,良性と悪性腫瘍に大別されるが,それぞれの疾患の画像的特徴や注意点を熟知することが重要である。
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