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手術・抗がん剤・放射線治療はがん治療の三本柱と考えられ,がんの種類や進行度に応じて,これらを組み合わせた集学的治療が普及しつつある。かつて不治の病と考えられたがんの治療成績は,医学の発展に伴って年々向上し,現在ではがんとともに生きる時代となった。近年ではmagnetic resonance imaging(MRI)のようなイメージング技術の発展も目覚ましく,微小な病変まで検出が可能である。がん患者の長期生存が可能となった今,他の臓器で生じたがんが血液の流れによって脳に転移をきたす患者数は増加傾向にあり,がん患者の20~40%は転移性脳腫瘍を有すると報告されている1)。転移性脳腫瘍は大きさや位置によって,頭痛・嘔気・意識障害などの頭蓋内圧亢進症状や,麻痺・言語障害・視覚障害などの局所症状を引き起こし,患者の生活の質(quality of life:QOL)を著しく低下させる。いかに患者QOLを維持するかが近年の放射線治療の課題となっている。転移性脳腫瘍の原発部位は肺癌が最も多く,乳癌・悪性黒色腫・腎癌・結腸直腸癌など多岐にわたるため2),放射線治療では多くの診療科との連携が必要となる。また,腫瘍数は1つとは限らず,5個以上を有する症例も少なくない。転移性脳腫瘍に対する放射線治療においては,小さなマージンでの治療を可能とする正確な患者位置照合や,有害事象を最小限にするための複雑な治療計画技術など,最も高精度な放射線治療といっても過言ではなく,近年のホットな研究のトピックである。本稿においては,転移性脳腫瘍から,これまでの放射線治療とこれからの高精度放射線治療をみていく。
To manage brain metastases is challenging in modern radiotherapy. Owing to the advances of linier accelerator, acquisition of volumetric imaging before treatment, generation of the steep dose distribution using volumetric modulated arc therapy and sophisticated immobilization system are available in the clinical practice. Here, we calculate the margin to compensate uncertainty of the patient immobilization and mechanical accuracy, and demonstrate the technique for generating steep dose gradient in stereotactic irradiation.
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