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膵癌は極めて予後不良の悪性腫瘍である。早期発見はその悪性腫瘍の予後の改善に寄与する。膵癌の早期発見のために,比較的緩徐に進行する膵上皮内腫瘍性病変(pancreatic intraepithelial neoplasm:PanIN)の段階から画像で異常所見を指摘することが重要である。浸潤性膵管癌の前癌病変から早期病変であるPanINはほとんどが5mm未満であるが,5~10mmの範囲にある場合もある。単発性,または多発性の小葉中心性膵萎縮を引き起こす可能性があるが,PanINの術前診断は顕微鏡的病変であるため非常に困難であり,癌が画像診断として認識される段階では,たとえ小さくともすでに浸潤癌であることが多い1)。これまでの報告ではPanINを示唆する画像所見として主膵管との連続性のない微小嚢胞の存在が報告されている2)。また最近ではToshimaらの報告によってstage Ⅰの浸潤性膵管癌のCTを遡って評価すると,同部位に萎縮変化,遅延相での軽度の濃染像,主膵管の変化が認められたことを報告しており3),これらの所見はPanINの画像所見と考えられる。しかし,PanINについて画像と病理を詳細に対比している報告は少ない。
PanINs are precursors or early-stage lesions of invasive ductal adenocarcinoma. It can reveal local pancreatic atrophy and fattening. Recently, the presence of non-communicating microcysts with the main pancreatic duct on MR images may be associated with PanIN. In this case, as in previous reports, small cysts discontinuous with multiple main pancreatic ducts, pancreatic atrophy, and pancreatic fattening were observed. However, there was no evidence of invasive carcinoma at the main pancreatic duct stenosis.
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