特集 血菅炎症候群のすべて
4 小型血管炎・ANCA関連血管炎
多発血管炎性肉芽腫症(Wegener肉芽腫症)
土橋 浩章
1
,
加藤 幹也
1
1香川大学医学部 血液・免疫・呼吸器内科
キーワード:
多発血管炎
,
ANCA関連血管炎
,
Wattsの分類基準
Keyword:
多発血管炎
,
ANCA関連血管炎
,
Wattsの分類基準
pp.1163-1171
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001737
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多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)は,血管壁に炎症が起こる「血管炎症候群」の一つで,中でも抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が関与するANCA関連血管炎(ANCA-associated vasculitis:AAV)に分類される。1938年にドイツの病理学者Friedrich Wegenerにより初めて報告されたことから1),以前はウェゲナー肉芽腫症の名称であった。しかし2012年,新しい国際分類基準(CHCC2012)2)により疾患名がGPAに変更された。GPAは,① 上気道(眼,耳,鼻,咽頭,副鼻腔)(E;ear and nose)および肺(L;lung)における壊死性肉芽腫性炎,② 腎(K;kidney)における巣状分節性壊死性糸球体腎炎,③ 全身の中・小型動脈の壊死性血管炎の3つを臨床病理学的な特徴とする難治性血管炎である。
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